『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)で連載している〈4つの視点から考える 幸せのためのヒント〉。
9月号では、足元から健康を考える靴選びのスペシャリスト・シューフィッターがいる店、パリーシューズが大切にしていることを紹介しています。
東京・駒込駅近くの霜降銀座商店街で67年前に創業。
二代目の俊久さんと妻の歌子さん、三代目の翔志さんの親子3人が、気取らず飾らずの笑顔で迎えてくれます。
「“地元愛”だよね。地元の人を大切にしたいですね、地元の人に生かしてもらってるから。裏切らない、変なものは売らない」
という俊久さんの言葉に、この店らしさが凝縮されているように思いました。
3人が接客する姿を見ていて、靴を売るというよりも、“安心”を売っているのだと感じました。
お客さんとの世間話を大切にして、お客さんの話をよく聴いて。
自分の足の形に合う最適な靴を選んでもらえるという信頼、世間話ができる距離、そして清潔さ(「お客さんが試着するとき、靴を脱いで床に足を置いても汚れないように」と、常に床を清潔に保つように気を配っている)。
俊久さんと翔志さんは、こんなことを教えてくれました。
【俊久さん】うちの歌子はね、お客さんに「そこまで聞くか?」ってことまで聞くんです(笑)
【翔志さん】父も母も、お客さんの話を親身になって聴くんですよ。足や靴に関係ない話というか。たとえば介護の話とか。
【俊久さん】「悩みを抱え込まないようにしてね」って。介護は自分たちも経験してきたから。知ってることは、お客さんと共有して。
足や靴の存在の大きさを教えてくれた言葉は、
▶︎歩くためには靴が必要で。腕時計はつけなくても生活できるし、つけるかつけないかを選べるけど、足には何かしら履かせなくてはならないですから。(翔志さん)
▶︎足は顔と一緒、性格と一緒で十人十色だから。同じ人でも右と左が違う。奥深いよね、靴とか人間って。面白いよねぇ。(俊久さん)
▶︎靴を売っている本人たちが、元気じゃないとね。「この靴を履いていると、健康でいられますよ」と言っても、説得力がないから。(歌子さん)
営業中の忙しいときに、質問したり撮影させていただいたりと、協力してくださったパリーシューズのみなさんに感謝。
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