『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)で連載している〈4つの視点から考える 幸せのためのヒント〉。
12月号では、栃木県大田原市山の手地区で、さまざまな立場や世代の人たちが日常的に交流できるコミュニティづくりに取り組む「一般社団法人えんがお」の代表理事、濱野将行さんに伺った話を紹介しています。
著書『ごちゃまぜで社会は変えられる-地域づくりとビジネスの話』を読み、濱野さんが仲間と楽しみながら“ごちゃまぜの場”をつくっているのが興味深く、大切にしていることなど聞いてみたいと思い取材を依頼しました。
数々のメディアで紹介され、講演や視察の依頼が絶えない「えんがお」。
空き家や空き店舗を活用し、徒歩数分圏内で地域サロン、地域食堂、シェアハウス、学童クラブ、無料宿泊所、障害者のグループホームを展開し、ビジネスとして成り立たせるのが難しいとされる“地域づくり”で、実績をあげていることなどで知られています。
濱野さんは「えんがお」を立ち上げた2017年から、全力で走り続けてきたはずです。
でも実際にお会いして感じたのは、“ゆるさ”と“気負いのなさ”でした。
できないことは無理して頑張らない、「弱いところは認めて頼る、強いところで貢献する」というスタンスでいるのだそう。
大切にしていることの一つが「目の前の人を笑顔にすること」だと聞いて、ストンと腑に落ちる感じがありました。
濱野さんは常に、「誰を喜ばせたいのか」「自分がしたことで誰が幸せになったのか」ということを考えているとのこと。
そしてこんな話から、“急がば回れ”と言われているような気がしました。
「“社会全体を変える”って言うと遠い気がしますが、そのために今、僕ができることは、このコミュニティを密にして、10年くらいかけてもいいから、モデルとして誇れるような、どこを切り取ってもそれなりの解答が用意されているような状況にすることです。それともう一つは、僕らと同じようなことを考えている人たちのネットワークをつくって、ここで展開しているようなコミュニティが全国にたくさん生まれるようにアプローチすることですね」
印象に残った言葉は、
▶︎遠くの誰かが批判したって関係なくて、喜ばせたいと思った人が喜んでくれたら、それでいいんです。
▶︎誰かの失われそうになっている可能性が、もう一回ひらかれるみたいなことがすごく好きなんです。
▶︎できないことは「これは苦手だからしょうがない」と受け入れて誰かに頼ると、その先が見えてくる、ひらかれていきます。
▶︎テストでいい点数を取れないとダメとか、足が遅かったらダメとか、不完全さを認めない空気は危険だと思っていて。失敗してもいいしダメでもいいんだよっていう社会にしていきたい。
「えんがお」が運営する地域サロン、「みんなの家」にお邪魔してのインタビュー。
そこにいた利用者のみなさん、犬や猫と楽しい時間を過ごさせていたきました。
多忙ななか時間をつくってくださった濱野さん、日程調整などしてくださったスタッフの方々に感謝。
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