《月刊ケアマネジメント》(環境新聞社)で連載している〈幸せのためのヒント〉。
12月号では、里親歴36年の坂本洋子さんに伺ったお話を紹介しています。
坂本さんが運営するファミリーホーム(*)の日常、子育てで大切にしていること、坂本さんが考える家族の形について。
(*)ファミリーホーム・・・自治体からの委託を受けて、厚生労働省が定めた「小規模住居型児童養育事業」をおこなう住居。施設と里親の両方の側面をもつ。最大6人まで、原則18歳まで預かることができる。
記事全文PDF▶︎▶︎▶︎ファミリーホーム「坂本家」が育む 血のつながりのない家族の絆
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坂本さん夫妻は、子どもを授かることができないと知ったとき、「養子縁組」ではなく「養育里親」の道を選択。
「できる限り多くの“社会の宝”を、自立するまで預かりましょう」
という考えからでした。
子どもたちのことを時折、「あの人はね・・・」(「あの子はね・・・」ではなく)と言う坂本さんから、子どもたちのことを一人の人間、個人として冷静に見ていることが伝わってきました。
そして、知的障害や発達障害のある子も多く受け入れてきたなかで、こんなことを教わったと言います。
「自分自身を変えていかないと、子どもたちと付き合っていくことができないと気づかされました。”二人だけの共通の物差し”をつくっていくなかで、絆が堅固になるんです。一人か二人の子育てで終わっていたら、“自分の物差し”を振りかざしたままだったんじゃないですかね(笑)」
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里親宅やファミリーホーム、児童養護施設などで暮らす子どもの多くは、虐待、育児放棄(ネグレクト)、経済苦などによって、産みの親と離れざるを得なかった子どもたち。
「みんな、ものすごく傷ついて、痛みを抱えて生きてきて、この家にたどり着いてきていますから」と、坂本さん。
だからとにかく、愛を注いであげるそうです。
「愛で満たしてあげれば、ほかの人にも愛を流してあげることができるし、自分のことも大事にできるようになる」から。
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印象に残った言葉は、
▶︎くだらない、どうでもいいことで子どもたちと盛り上がっているときに、すごく幸せだと感じますね。たわいもないことで笑い合っている瞬間が大好きです。
▶︎言葉があろうとなかろうと、知的レベルが重かろうと軽かろうと関係なくて、その人を人間として大切にして、一緒に暮らせる家族になっていくっていう。これって、本当に素晴らしいことです。
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お時間のないなかオンライン取材に応じてくださり、坂本家の日常をおさめた写真をご提供くださった坂本さんに感謝。
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