《月刊ケアマネジメント》(環境新聞社)で連載している〈幸せのためのヒント〉。
2月号では、鑑賞対話ファシリテーターの舟之川聖子さんに伺った話を紹介しています。
「鑑賞対話」とはどんなものか、それによってどんなことを体験できるのか。舟之川さんが「鑑賞対話」にたどり着いた背景など。
記事全文PDF▶︎▶︎▶︎表現の扉をひらく 鑑賞対話ファシリテーション
子どもの頃から、無理をしてその場の環境に自分を合わせることに疑問を感じていた舟之川さん。
自分に正直にいられる場をつくるため、そして他者を知るために、約10年前から様々なジャンルのワークショップや場づくりに取り組んできました。
自らを「鑑賞対話ファシリテーター」と命名し、本や映画、芸術作品などの表現物を鑑賞する場づくりを本格的に始めたのは約3年前。
テーマを掲げて語り合う場づくりをするなかで、話が食い違ったままの“空中戦”のようなやりとりで終わってしまい、対話や交流ができた手応えを感じられずにいた舟之川さんは、ある日、「参加者の真ん中に、目に見える『対象物(表現物)』を置いてみたらしっくりきた」そう。
それが、鑑賞対話を始めたきっかけです。
参加者が表現物に集中することは“空中戦”の回避につながるだけでなく、様々な利点があるそうです。
鑑賞する表現物には正解がないので、語る感想に対して評価やジャッジをされない安心感がある、話題にしづらいテーマやタブーとされていることを口に出しやすくなる、作品を通して「時間軸」が広がり視野を広くすることができる、など。
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印象に残った言葉は、
▶︎“人とのつながりが大事”といわれますが、人に感情を揺り動かされて、人間関係にわずらわしさを感じることもありますよね。本やアートなどの「物」や、言葉を使わなくてもいい「自然」と“友情”を結んでいたから、これまでやって来れたんだと思います。
▶︎作品や人との出会いによって吸収したことを「分類しない、ラベル付けしない」。「良い/悪い」「好き/嫌い」とすぐにジャッジせず、自分のなかに“ふわっ”と存在させておく。
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私的な感情や出来事など、ご自身のバックグラウンドについてオープンに話してくださった舟之川さんに感謝。
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●『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』
舟之川さんは学び仲間と一緒に、子どもと大人のはざまを生きる10代の人たちに向けた『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』(三恵社 2020年)を出版。子ども時代に募らせていた大人や社会への疑問や違和感が、この本の制作につながっています。
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