《月刊ケアマネジメント》(環境新聞社)で連載している〈幸せのためのヒント〉。
8月号では、約10年前、事故により四肢麻痺の車いすユーザーとなった Kaoru Toishi (戸石薫)さんの、今日までの道のりを紹介しています。
客船での世界一周旅行中、船内のプールでの事故で「死んだ」と思った瞬間の記憶、失意により“25mプールを満たせる”と思うほどに流した涙、“体をいじめ抜いた”リハビリ生活、「障害者」とラベル付けされながらの孤独な就職活動。
厳しい現実から目を背けず重ねた努力が実を結び、IT企業に2年契約で採用。その後、アメリカ短期留学を経て、現在は社会福祉法人 東京コロニー 東京都大田福祉工場で、ピアサポーターとして働いています。
薫さんから感じたのは、絶望のどん底を経験した人の明るさと優しさです。そして、きっと「死」を意識しているから「生」が色濃くなって、薫さんを突き動かしているのではないかと思いました。
「もし自分なら、どうする?」という問いをたくさんくださった、薫さんに感謝です。
薫さんには、実現したいことが二つあります。
一つは、途中で終わってしまった世界一周の旅を実現させること。四肢麻痺で車いすユーザーの自分がそれを成し遂げることで、障害のある人たちの可能性を広げることができると考えているからです。
もう一つは、世の中から障害者という意識をなくしていくこと。
二つ目の願いに向けて、薫さんは福祉国家といわれるデンマークに短期留学し、包容力を肌で感じてきました。
その体験については、次号「心のバリアフリーについて考える② ~四肢麻痺の車いすユーザー、薫さんのデンマーク留学から〜 で紹介します。
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